84円以上の恋のお持ち込みはご遠慮いただいております

 

問一、推しへのファンレターが重量超過で差し戻された場合に失われた恋心は何グラムか(配点:5京点)

解、うっせ〜〜〜〜〜〜しゃらくせ〜〜〜〜〜

 


*  *  *

 


みなさま、夏の厳しい暑さが脳と心を蝕んでいますか。とにもかくにもそれなりに生きていきましょうね。

本題。推しはいますか? あなたの推しへの愛情表現にはどのようなものがありますか? 推しにファンレターは書きますか? 自由にお答えください(推しの話聴くのすきなのでもしよければ匿名でも結構なので聞かせてくださいね↓)

https://privatter.net/m/kujiramaku_ll

私は某エンターテイナーの推しに対して、結構キマった感情を持っているいわゆるガチ恋なので、しっかりとした狂いのもと推しを「運命くん」と呼んでいます(私の「運命」であってほしいので)(は?)

運命くんのことがすきでたまらないので、運命くんが「私の運命ではなかった」ことに気付く日が来ることが心底恐怖で、運命くんの祝福のその日が私の死刑執行の日である事実を受け入れるために、私の「リアコ」人格の遺書をはてブロの下書きにしたためたりしています。遺書の内容はこんな感じ。f:id:kujiramaku:20220817211625j:image

何かにつけて内容を確認してアップデートしています、終活と同じ。

この記事を書いている真っ最中に、東海オンエアのてつやさんが峯岸みなみさんとの素敵な結婚の発表をなさっていて祝福の気持ちと、アタシもこうなりてえ!!!!の羨望の気持ちで涙が出てきました。末長くおしあわせに。御両人はガチ恋オタクの希望です。

 


そんな私ですが、ファンレターをよく書きます。ファンレターは素敵な文化です。まずなによりコスパがいい。オタク側のコスパも、推し側のコスパもいい。オタクからすれば自分の全身全霊から溢れる殴りかかるような愛情を文章にして送れる元手がかからない貢物であり、推し側は嵩張らないし扱いに最も困らないプレゼントだからです。

現場があればプレゼントに添えて贈ることも出来るし、現場がなくても84円切手を貼ってさっと届く利便性の高く文字通りメッセージ性の強い愛情。

そして、凝ろうと思えばいくらでも凝れるのもいいところです。

使う便箋や封筒は? シックなもの? シンプルなもの? それともキュートなもの? いつも決まったお気に入りを使うのか、お店でみつけた素敵な季節ものを使うのか。はたまたいま携わっている作品にちなんだ色柄のものにするのか。

ペンはどうする? 読みやすいボールペン? たくさん書くなら万年筆? かわいいサインペン? インクの色はやっぱり黒? たまには奇抜な色? 便箋の色に合わせてみる?

封筒のフラップに貼るものはなににする? お洒落なマスキングテープ、こだわってシーリングスタンプ、お気に入りのフレークシール……

楽しい!!!!!!!! この推しのことを考えて準備をしているときがいちばん楽しい。さあ準備は万端! あとは書くだけ!!

 


いやこれがいちばんしんどいんよ。

 


私は自分のことをキモい害悪オタクであるとは思っていますが、運命くんにとってより良いファンでありたいという気持ちも強いので、まともに思ってること書いて文豪の後年まで残ってしまった黒歴史みたいな手紙になってしまうのを避けるため、自分の感情の上澄みだけを言語化している。

例)

・運命くんの瞳がいちばん綺麗に輝くのはカーテンコールの時だと思うから、いつだって何にも遮られない最前でそれをずっと観ていたいし、あわよくばその瞳に私だけを映してほしいのに、私なんかが映ったら運命くんの瞳に光が差さないのがつらい。いつだって運命くんを照らすいちばん強い照明になりたいのに。次の舞台までの間に私が特別になれるならなんだって差し出せるのにな

→先日の舞台でのご活躍、大変素晴らしいものでした。特にクライマックスの畳み掛ける長台詞は圧巻で、カーテンコールまで駆け抜けたのちの運命くんの晴れやかなお顔が印象的で、舞台に近いお席で堪能できて嬉しかったです。また今回のような熱演を観られること楽しみにしています!

こうです。

私の感情をそのまま書いた劇薬みたいな愛情を推しに経口摂取させたいなと思うが、それはもはや致死の毒なのでそこから普通に5回くらい手直しをして、希釈に希釈を重ねたファンレターを出しています。いや呪詛よこんなんは。

特級仮想怨霊・害悪リア恋が爆誕する日も近いよな。五条悟、無感情に祓ってくれ〜……乙骨だと純愛認定してくれそうで逆に申し訳ないな……

こんな感情は真似しなくてもいいけど、直近のお仕事の感想とか、自身の近況とかなんでも書いて送ってみたらいいと思う! 敷居は案外低いですよ、だって読むかどうかなんて解らないし、届いてから何ヶ月もあとに読むのかもしれないし! 読まれるかどうかは博打だと思って、傷つけるようなこと以外はなんでも書いてとりあえず送ってみるのがいいと思います。

みんな書こうぜ! ファンレター!

 


ついでになんですが、「ガチ恋」に関する内容で私がとても心に残っているYouTubeライブがあるので共有させていただきます。

にじさんじ所属のバーチャルライバー 卯月コウさん(https://mobile.twitter.com/udukikohh)の2019年2月14日の配信です。私が心を打たれたのは36分あたりからです。

https://youtu.be/UTBPq6kNz_Y

私含め何某かのエンターテイナーのガチ恋こじらせ害悪オタクは、届いているかもわからないファンレターという名のいしつぶてを推しにめちゃめちゃに投げつけているわけですが、画面の向こうなのか舞台の上なのかキャラクターのその先なのかは別として、届いているかもわからない石を投げ続けて、たまにその石の特徴を捉えたような推しの発言を切り取って「私信きた!」なんて騒ぐわけなんですよね。

でも卯月コウくんは違うんですよ。めちゃめちゃに投げつけられた石を拾い上げるしじっくり読んでくれるし、しかもそのただの石を宝石だって言って承認してくれるんです。コンテンツとして自分の糧とすることによって、石を投げ続けることを許容してくれる。すごいお人だ。

願わくば、私が拗らせている彼も、拾い上げて見せてくれずとも良いから、私や私以外のファンの投げた石を宝石だと思う人であってほしいです。そして私の投げた石が彼を傷つけることがないことを願いたい。

私は卯月コウさんのことふんわりとしか存じ上げないけど、すごい人だな……と思ってチャンネル登録しました。ますますのご活躍を祈っています。

 


さて、前置きが長いのはオタクの特徴。

そんなこんなで何かにつけてファンレターを送っている私です。コロナ禍になり地方在住のため思うように現場に行けないことも募り、前より積極的にグッズを購入したり、ファンレターを送ったりしています。

これだけ書いていてあれですが、ファンレターというのは同人と同じで、「正気じゃ書けない」です。狂えるだけ狂ったもん勝ち、青春なら。ギリシア神話のマイナデスよろしく踊り狂って精神を削り出した果ての産物がそれなので、ファンレターを書くのにはものすごい体力が要ります。

今回も睡眠時間と体力を犠牲に、血反吐の出そうな高カロリー感情を濾過器にかけて仕立てた文章。お気に入りの紫がかったインクをおにゅーの万年筆に詰めて、便箋はインクのノリがいいいつもの綺麗な花柄……誤字脱字がないことを3回確認して封筒におさめたら、自作したシーリングスタンプ風のシールで封をする。このシールは運命くんのイメージカラーと私の好きな色のマーブル模様で、シーリングの柄は封筒とあわせた自信作! きれいな模様の84円切手を貼って……

運命くんのもとへ届け! こじらせオタクの強感情!!!

 


重量級の恋心は84円じゃ足りなくて次の日返送されてきました。

 


みんな、料金の確認はちゃんとしような。ご家庭でも過信せずにスケールを使いましょう。

 

 

 

追記

そのあと、別に運命くんから直接手紙を突き返されたわけでもないし、単純に私だけの問題なのに、なぜだか運命くんに拒絶されたかのような絶望感で目の前が真っ暗になりました。

封筒がもう使えないから仕方ない中身だけ取り出して、新しい封筒に入れて送り直そうと封を切ったら、運命くんのイメージカラーと、私の好きな色とが真っ二つに裂けるようにシールが破れたので、この示唆的な状況に私の中のたぶんかなり重要な神経がはち切れ、その場で手紙ごと燃やしてその火で煙草吸って終わりにしました。まとわりつくような火に髪が煽られてちょっと燃えたけどまあそんなのはいいのよね。

84円に収まらない感情なんて推しの負担になりますからね。

 

 

(84円を超えた感情に関しては、短歌にしたりしてます。壁打ちアカウントですが、貼っておきます。死ぬまでに一万首読んでやるからな)

https://twitter.com/princewillnot__/